マツの激害型枯損木の発生環境 : 温量からの解析
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概要
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マツの激害型枯損の発生環境を温量で区分することを試みた。地区の温量を代表する指数として, 1年間の中で月の平均気温が15℃を超える月の平均気温から15℃を差し引いた残差を累積して得た値を用いた(MB指数)。これを関東以西32都府県下950気温観測点の5年間(1961〜1965)の資料について算出し, つぎに各地におけるマツの枯損の発生量を参考にして激害型枯損のほとんどみられない地域を40MB以下, 激害までにいたらない地域を40〜45MB, 激害地となりうる地域を45MB以上として区分した。この結果, 40MB以上の地帯の地理的分布は主として海岸線に沿い, 河川に沿って内陸に入りくんでいる。また, 内陸部では盆地など夏期の温度が上昇する地域が含まれる。そして, 地域によって違うが, ほぼ標高200mまでに分布することが明らかになった。また, これをマツーマツノマダラカミキリーマツノザイセンチュウ三者の関係(図-2)が成立するための温量を既報のデータから検討した結果, おおざっばであるが, 40MB付近の温量がマツの激害型枯損発生の限界温量であると推察できた。
- 1975-06-25
著者
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