ストローブマツの芽に存在する生長物質および抑制物質
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ストローブマツの芽に存在する生長物質および抑制物質について調べた結果を報告する。8月下旬に芽の生長物質および抑制物質をエーテルで抽出し, ペーパー, クロマトグラフィで分離し, アベナ伸長試験で定量した。展開容媒としてイソプロパノール─アンモンニヤ─水, (8 : 1 : 1)を用いた場合酸性区分においてRf 0.0〜0.5に生長促進帯が, Rf 0.5〜0.9に生長抑制帯が認められた。中性区分では生長促進帯がみられずRf0.3〜0.9に生長抑制帯が認められた。酸性区分において, EHRLICH試薬, GORDON & WEBER試薬による呈色反応からみてインドール化合物と思われる2つの生長物質(Rf .0.20,Rf 0.25)と1つの抑制物質(Rf 0.54〜0.84)が認められた。IAA 位置にも生長促進がみられたがこれらの試薬で発色を認めることができずIAAの存在を確認できなかつた。しかし芽にIAAの前駆物質である Tryptophaneを与えると明白にIAAの生成を認めることができた。このことは芽にTryptophane-IAA転換酵素系の存在することを示しており, 無処理でもIAA位置に生長促進のみられることとからみて人為的にTryptophaneを与えない場合でも本酵素系によりTryptophane→IAA の反応が行われているものと考える。通常これを呈色反応で認めることのできないのは本抽出方法では反応が陽性を示すだけの量が得られない為であろう。なおTryptophaneを与えるとIAAのほかに1つの生長物質(Rf 0.30)と1つの抑制物質(Rf 0.53)が新しく認められたが, これらの物とTryptophaneとの関係は不明である。
- 日本森林学会の論文
- 1961-12-25
著者
関連論文
- 高海抜,多雪地帯の森林施業 (I) : 沢川および小舟山国有林のスギ人工林の生育
- 鳥取県における森林問題に関する意識調査
- カラマツ人工林における単木影響圏の重複による個体競争の定量化と間伐木選木への適用
- 中国のモウコアカマツと日本のアカマツの二次林における林分構造と成長特性
- アカマツ二次林の林冠下に植裁されたスギ下層木の成長
- 海岸砂丘地におけるクロマツの樹高と葉内成分の変化
- 樹齢・葉齢によるアカマツの葉内成分の変化
- 溝口演習林におけるアカマツ林の生産力に関する研究 (第2報) : 幼令林における現在量について
- クロマツの短枝における芽の形成について
- アカマツさし穂の不定根形成に関する生理学的研究(III) : インドール酢酸, カイネチン, ジベレリンの不定根形成に及ぼす影響
- クロマツ苗の根部の生長物質および抑制物質(予報)
- クロマツのさし木に関する基礎的研究(第I報) : 発根が困難である原因について
- アカマツの芽の生長物質について
- 714.クロマツのさし木が困難である原因について(予報)(第72回日本林学会大会)
- ストローブマツの芽に存在する生長物質および抑制物質
- アカマツさし穂の不定根形成に関する生理学的研究(第2報) : 発根阻害物質について
- クロマツの生長物質および抑制物質について
- アカマツの不定根形成に関する生理学的研究(第I報) : 生長調整物質と樹令について
- ヤナギのさし木の発根と生長物質の消長について
- 614.ヤナギのさし木の発根と呼吸について
- 西大山地区国有林におけるアカマツ,クロマツ林の天然更新
- テーダマツ、 フランス海岸松の生長物質および抑制物質
- クロマツの生長物質および抑制物質について(第II報) : インドール酢酸の存在
- 鳥取県における森林,林業に関する意識調査 (II) : 人工林および天然林について
- 鳥取県における森林・林業に関する意識調査 (I) : 森林資源について
- 313. マクラタケ(Inonotus dryadeus(PERS.)MURR.)およびヤケコゲタケ(Inonotus hispidus(BULL. ex FR.)KARST.)について(保護)(第68回日本林学会大会)
- 中国の沙地に成立する樟子松二次林の林分構造
- 樹木の長命化をもたらす要因の事例
- 鳥取県における林業就労者の労働条件に関する意識調査
- ビャクシンにみられる個体の分解と合体の一事例
- 老大木にみられる異常気根
- 巨樹,老樹における個体の合体および分解
- コナラ二次林における順位変動
- 分収育林制度に関する意向調査 (II) : 日野川流域の場合
- 都市近郊林について (I) : 箕面国定公園の利用についての意向調査
- 林地開発に関する研究 : 鳥取県における林地開発の現状
- 老大木に関する研究(VIII): 老大木の樹形について
- 老大木に関する研究(VII): 匍匐するダイセンキャラボクについて
- 老大木に関する研究(VI): 折損立木上および高い抜根上における更新
- 老大木に関する研究 (V) : 気根による更新
- 老大木に関する研究 (IV) : 老大木上における他樹木の生育
- 老大木に関する研究 (III) : 樹齢問題
- 分収育林制度に関する意向調査
- 森林の公益的機能,特に水源涵養機能の維持,増進に関する意向調査
- コナラ二次林の林分構造
- コナラ二次林の現在量および生産量
- 広葉樹二次林の有効利用と森林施業に関する基礎的研究 : クヌギ二次林について
- 砂丘地におけるクロマツの単木の葉について
- 未利用森林資源のエネルギー化に関する研究 (I) : 鳥取県における未利用資源量とその活用方向
- 砂丘地におけるクロマツ林の胸高直径と樹高の度数分布および順位の変動
- 砂丘地におけるクロマツ林の幹材積の度数分布および順位の変動
- シイタケ原木林の施業に関する研究 (III) : コナラ,クヌギの単木におけるシイタケ榾木直径の度数分布について
- シイタケ原木林の施業に関する研究 (I) ： 単木におけるシイタケ榾木の利用材積および利用本数について
- シイタケ原木林の施業に関する研究 (II) ： 林分における榾木の利用材積および利明本数について
- 林分の配置序列に関する研究 (I) : 国有林野鳥取事業区の分析
- コナラ林の林分構造およびYーN曲線等について(予報)
- 森林配置に関する研究 (II) : 国有林野松江事業区の分析
- 砂丘地におけるクロマツ林の物質生産力に関する研究
- 砂丘地におけるクロマツ林の施業に関する基礎的研究 （第１報） ： 樹高，直径の分布および順位変動について
- 民有林地帯の森林配置の研究--鳥取県智頭町の私有林・公有林・国有林の比較
- 森林配置に関する研究-1-国有林野倉吉事業区の分析と鳥取・山崎両事業区との比較
- 海岸砂丘地における松林の発達と物質生産(第1報) : 15年生クロマツ林の樹高と現存量、生長量などとの関係
- 老大木に関する研究 (II) : 複幹化および複個体化
- 老大木に関する研究 (I) : 非同化部にみられる形態的変化
- マツクイムシによるとみられるアカマツの被害と広葉樹の混交との関係
- 未利用森林資源のエネルギー化に関する研究 (II) : 木質エネルギーに関する意向調査
- 樹木の寿命と老化
- 砂丘地におけるクロマツ林の生長に関する生理学的および生態学的研究
- ヒノキ林の生産力調査 (第1報) : 空山における28年生林の現存量と生産量
- 中国遼寧省におけるニホンカラマツの相対幹形と正形数
- 市街地における緑化に関する研究 : 鳥取市市街化区域を対象とした意向調査を通して
- カラマツ人工林の成長と林分構造(I) : 鳥取大学蒜山演習林のカラマツ林の成長の事例(経営・利用)
- 広葉樹二次林施業に関する基礎的研究 : 薪炭材採取後の落葉性広葉樹二次林の動態と再生様式