クロコブタケの生理学的並びに生態学的研究(第1報) : 子嚢胞子の発芽と生存力 : シイタケ害菌防除に関する基礎的研究 I.
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
シイタケ榾木の重要な害菌の1つであるクロコブタケの子嚢胞子の発芽について2,3の実験を行なつた。本胞子は蒸溜水や雨水およびイネの浸出液等では殆んど発芽しないが, クヌギ樹浸出液その他多数の木材浸出液および2%ブドウ糖加用馬鈴薯煎汁等では非常に良く発芽する。本胞子の発芽様式は, まず胞子の外皮が縦にわずかに裂け, ついで周辺膜から飛出して直ちに外皮は裂開し, その後発芽する。クヌギ樹浸出液等で胞子の発芽が良いのはこれらの液が, 胞子の外皮裂開を促すためであろう。胞子の発芽に対する最適温度は34℃, 10〜39℃で発芽する。発芽適湿は98.7%, 最低限界湿度は88%付近で100%の湿度では最適湿度につぐ発芽率を与えた。最適pHは5.2〜5.6,限界は3.6および8.2付近である。未裂開胞子は直射日光に合計12時間さらしても生存するが, 裂開胞子は30分の照射で完全に死滅する。これは裂開胞子が乾燥に極めて弱いことに起因する。
- 日本森林学会の論文
- 1960-06-25
著者
関連論文
- クロコブタケの生理学的並びに生態学的研究(第1報) : 子嚢胞子の発芽と生存力 : シイタケ害菌防除に関する基礎的研究 I.
- 420. 櫻桃菌核病苗の代謝する毒性物質について(第67回日本林学大会プログラム)
- ナシ赤星病斑上の柄子蜜について