作業級行列について
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概要
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現実に使える森林経営の動態模型は種々な方法によつて作られると思われるが, ここでは活動分析による作りかたの緒口が示されている。つまりその緒口に相当するものは作業級行列であつて, これによつてのみ小班を最小森林区劃とし, 時間, 立地, 森林蓄積, 土地, 労働, 資本を綜合的に考えた作業級の経営を動態において考えることが可能になる。しかし単に作業級に限らず全国的規模において考えることも可能と思われる。それは収穫保続を前提とするものではない。この考察においては, t-1期における作業級の材積総成長量はt期においてt-1期迄の蓄積に加わえられるという仮定と, 一つの作業級を構成する小班の間に(1)(2)の関係に従つてt-1期からt期の間ヘクタール当りの成長量について投入産出の関係が構成されているという, 従来の森林経理学で暗黙の中に認めてきた仮定を用いている。その限りにおいて(7)の作業級成長行列が作られ(同じ方法で作業級蓄積行列も作られる), 各小班の成長量投入係数を(8)式で定義するとき(11)の関係から, その数値を極めて簡単に求めることが出来る。この行列が作られることは森林経営の動態模型を作る操作の大半が終つたことを意味する。附録において, 本文の頭初で述べた仮定を数学的に証明し, このような森林経営の基礎理論の一端を示しておいた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1958-05-25
著者
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