海岸林の基準の厚みについて
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概要
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(1)海岸林の必要とする基準の厚みを求めるために, 林帯の胸高直径合計Σd(風向に正対して巾10mの)と単位対風抵抗値Fu(風向に正対して, 平均1m^2当りの林帯の対風抵抗値。対風抵抗値はF=1/2C_xρv^2S, C_x=抵抗係数, ρ=空気の密度, v=風速, S=対風面積, で示される)を測定した。測定の範囲ではΣdとFuとは直線式Fu=aΣd+bで示される関係があるが, Σdが概ね3,000cm以上ではこの関係に従わず, Σdがいかに増加してもFuは概ね76以下である。(2)林帯の老朽度を示す指数としてS=Fu/Σdをとりあげたが, これは, なお今後の研究にまつべきものである。(3)海岸林の防風機能推定のための補助として, 林帯内の照度を考えた。これは照度は林冠の密度に比例するものとの仮定から出発したものである。測定の結果では, 1〜2の特に巾の広い海岸林を除けば直線式Fu=aRe+b, Σd=aR_l+bで示される関係がみられるがこれについてはなお今後の測定研究が必要である。
- 日本森林学会の論文
- 1957-05-25