41 森林土壤の微生物学的研究(II) : ヒバ林の土壤微生物相
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概要
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1. 青森県に好在している"ヒバ"(ヒノキアスナロThujopsis Hondai HENRY)の天然生純林の土壤微生物相に就いて研究を行った。2. ヒバ林の地床植物相は極めて貧弱である。その土壤はスギ林やアカマツ林に比して酸性が強く, 弱い灰白化層が認められる。3. ペプトン分解殺菌及び放射状菌は一般畑地土壤程豊富でなく, 他の森林土壤よりも明らかに少い。4. 12属の糸状菌が分離出来た。このうち, Penicillium属の出現頻度が最大で, 次いでMucor, Trichoderma及びGliocladiumの各属がこの順序で現われる。5. Azotobacterは存在しない。Clostridiumは常に存在するが, その数は少ない。6. 硝化細菌の存在は認められない。7. 嫌気性の繊維素分解細菌は少い。好気性の繊維素分解細菌は前者より多い。好気的培養に於ては濾紙上に糸状菌の極めて旺んな発生が認められる。8. 土壤微生物はF及びH層或はA_1層に最大数が認められ, B_1層では顕著な減少が起る。
- 1952-07-25