「持続可能な森林経営」に向けた国際的な取り組みの変遷 : 国際熱帯木材機関(ITTO)による1980年代および1990年代前半の活動とその意義
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概要
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森林をめぐる国際的な取り組みにおいては, 1980年代前半から1990年代前半の間に, 「持続可能な森林経営」がその中心概念となり, 対象とする森林も熱帯林のみから世界のすべての森林へと拡大されるという枠組みの変化が生じてきた。国際熱帯木材機関(ITTO)は, 熱帯林の「持続可能な経営」という概念を打ち出し, サラワク・ミッションの派遣, 西暦2000年目標の採択などにより, 「持続可能な森林経営」に向けた国際的な取り組みの先駆的役割を果たしてきた。その背景には環境NGOによる活動の影響があった。また, その過程で熱帯林のみに「持続可能な経営」を課すことの不公平性が顕在化し, 温寒帯林においても「持続可能な森林経営」への取り組みが活発化してきた。ITTOによる熱帯林の「持続可能な経営」への取り組みの展開は, 世界のすべての森林を対象とする「持続可能な森林経営」に向けた国際的な取り組みの端緒となったということができる。
- 2001-02-16