五葉マツ発疹さび病罹病木の病態解剖(II) : ストローブマツ幹・枝に形成された銹子のうの形態と病患部の組織学的反応
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概要
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中標津営林署管内に発生したストローブマツ発疹さび病罹病木に形成された銹子のうの形態について解剖観察するとともに, 病患部の組織学的な反応をハイマツ罹病木のそれらと比較検討した。既知の欧米における発疹さび病の場合, 銹子のうの形成には通常3〜4年あるいはそれ以上かかるとされているが, 中標津のストローブマツの場合は1,2年生の幹・枝に明らかに銹子のうの形成が観察された。しかし, その形態は欧米のそれと一致した。発疹さび病の場合, 抵抗性の寄主では樹皮組織に顕著な反応が生ずることが知られている。中標津のストローブマツの場合, 本病の感染による樹皮組織における組織学的な反応はほとんど観察されなかった。一方, ハイマツでは顕著な癒傷周皮の形成, 樹脂道内への柔細胞の発達などが観察され, ハイマツがストローブマツと比較して本病に抵抗性であることを示唆した。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1977-03-25