サクラてんぐ巣病葉の電子顕微鏡による観察
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概要
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Taphrina cerasi(FUCKEL)SADEBECKによるソメイヨシノ(Prunus yedoensis MATSUMURA)のてんぐ巣病組織の超薄切片を電子顕微鏡で観察した。本菌は感受体組織の細胞間げき, 中層ならびに細胞壁に認められる。菌体が細胞壁に入った場合, 細胞壁は厚くなるが, 菌体と細胞壁が接触している部分とそうでない部分に厚さの差を認めることはできなかった。また菌体は細胞壁へ侵入することができても, 細胞壁を貫通したり, 感受体細胞質に接触したりすることなく, 吸器様構造も観察されなかった。組織中の菌糸が感受体細胞と隣接している場所には粘質物質様のものが認められるが, 中層や細胞壁に侵入した菌体周辺には認められない。組織内の大部分の葉緑体にはインターグラナラメラ, グラナラメラ, 好オスミウムか粒が認められる。気孔孔辺細胞にでん粉が認められる以外には葉緑体にでん粉は観察できなかった。病葉は子のうを形成する時期になると組織がもろく, 折れやすくなるので, 組織細胞壁は変性していると思われるが, 超薄切片の観察からは, これに関して知見を得ることはできなかった。
- 1972-05-25
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