土壌の酸素供給能と堅密度の違いがカラマツおよびアカエゾマツ苗の成長に及ぼす影響
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概要
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火山放出物を母材とする土壌で, 容積重を3段階(実験開始時0.6,0.7,0.8g/cc)と地下水位を3段階(地表下8,16,32cm)に変えて, 土壌の酸素供給能と堅密度の違いがカラマツとアカエゾマツ苗の成長に及ぼす影響をポット試験で検討した。1)土壌酸素拡散速度は, 土壌酸素供給能の指標として有用であると考えられた。2)表層土壌の酸素拡散速度は6.1〜38.3×10^<-8>g・cm^<-2>・min^<-1>の間に, また指標硬度は5〜18mmの間にあった。この条件のもとで, カラマツ苗の成長には酸素供給能が大きな影響を及ぼしたが, 堅密度はほとんど影響を及ぼさなかった。一方アカエゾマツ苗の成長には酸素供給能と堅密度の相方が影響を及ぼしたが, その中では前者の影響のほうが大きかった。3)容積重が大きいとき苗木の成長が悪かったが, そのおもな原因はカラマツでは酸素供給能が小さいことに, またアカエゾマツでは酸素供給能が小さいことと堅密度が大きいことにあった。4)土壌中の酸素欠乏に対する耐性は, カラマツ苗よりもアカエゾマツ苗のほうが大きかった。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1982-12-25
著者
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