カバ・ハンノキ属の育種に関する研究(1) : ケヤマハンノキ, コバノヤマハンノキの形態的特徴と染色体数の差異について
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概要
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ハンノキ属育種の一部としてケヤマハンノキとコバノヤマハンノキの形態的特徴と細胞学的観察を行なった。1) 葉の形ではケヤマハンノキはコバノヤマハンノキよりも葉身長, 葉巾, 葉の面積等何れも大きいが, 形状比においては変りはない。著しい差は第2次側脈の間隔に現われて2 : 1の比である。2) 気孔の大きさは著しい差が認められ, ケヤマハンノキはコバノヤマハンノキより50%大きい。従って単位面積当りの気孔の分布数はケヤマハンノキの方が60%減となっている。3) 雄花の大きさはケヤマハンノキはコバノヤマハンノキより約18%, 花粉の大きさは16%大きく差が認められる。4) 染色体数を根端細胞により観察したところケヤマハンノキは2n=28で従来の報告にあるハンノキ属の基本数と一致するが, コバノヤマハンノキは形態的差異にも現われているように2n=14の新しい染色体数が観察された。基本数については後に論議したい。
- 日本森林学会の論文
- 1962-09-25
著者
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