夏の無降雨期間がフウの樹液流速度に与える影響

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概要

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夏の乾燥期をはさみ約4ヵ月間にわたり11年生フウの樹液流速度を連続的に測定し、乾燥にともなう樹液流速度の変化について調べた。降雨が断続的にあり、土壌水分が豊富で樹体が活発な蒸散活動を行っていると考えられる期間では、樹幹の同一横断面上における樹液流速度は、樹幹の方向および木部表面からの距離と無関係に、どこでも大気飽差の変化に対応する日変化を示した。しかし、降雨が少ない期間では、樹幹のどの部分でも樹液流速度は低下し、それぞれの部分で樹液流速度の日変化は異なったパターンを示した。樹幹内の主要な水分通導部分では、長い無降雨期間を経験した直後でも、降雨によって迅速に樹液流速度は回復したが、樹幹表面に近い部分では長期間回復しなかった。これらの結果は、フウでは、乾燥や降雨による樹液流速度の変化が樹幹内の場所によって異なることを示している。
日本森林学会の論文
1994-05-01

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