Fusarium moniliforme var. subglutinansの鹿児島県における分布とマツ類に対する病原性
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概要
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Fusarium moniliforme SHELDON var. subglutinans WOLLENW. et REINKINGの分布を7種のマツの樹皮洗浄法, 空中からの胞子捕捉試験, リュウキュウマツとサトウキビからの分離によって調査した。F. subglutinansは奄美大島の竜郷町, 笠利町, 名瀬市, 南部九州の蒲生町, 祁答院町, 鶴田町, 菱刈町, 霧島町で採取された。樹皮洗浄法で検出されたF. subglutinansコロニーの数は調査年により大きく変異した。南部九州ではF. subglutinansを空中から検出できなかった。健全なマツにおいて, F. subglutinansは幹, 枝よりも針葉でよく検出された。F. subglutinansはサトウキビ組織からも分離された。竜郷町のリュウキュウマツから分離したF. subglutinansは数種のマツに病原性を示した。すなわち, リュウキュウマツ, バージニアマツ, ラジアタマツの実生苗木には全身枯れを起こし, リュウキュウマツ, スラッシュマツの枝を枯死させ, リュウキュウマツとクロマツの幹に胴枯れを形成した。霧島町のアカマツから分離したF. subglutinansはリュウキュウマツの枝を枯死させた。大谷英児 : シイタケの害虫, セモンホソオオキノコムシの生活環日林誌75 : 10〜15,1993生シイタケの害虫として最近問題となっているホソオオキノコムシ属の2種のうち今回は, セモンホソオオキノコムシの生活環を, 生シイタケを誘引餌としたトラップヘの飛来消長調査と屋外飼育によって明らかにした。セモンホソオオキノコムシは幼虫および成虫で越冬に入るが, 幼虫の多くは越冬中に死亡する。越冬成虫は5月上旬に歩行によりシイタケへ到達し産卵する。この卵から発育した1化成虫は8月にシイタケに大量に飛来し, 産卵後に死亡する。この卵から発育した2化成虫は9月中旬に羽化し, ほとんど飛来はしないが産卵はする。そしてその卵から発育した老熟幼虫とともに越冬に入る。このことから本種は主に年2化性であることがわかった。以上の結果をもとに, 先に報告したニホンホソオオキノコムシの生活環と比較考察した。
- 日本森林学会の論文
- 1993-01-01
著者
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