特発性間質性肺炎とBAL(<特集>間質性・びまん性肺疾患と気管支鏡)
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概要
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特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonia:IIP)は, 肺胞間質および細気管支間質を病変の主座とし, 炎症性肺傷害とその修復の過剰あるいは異常によっておこる線維化により, 呼吸不全をきたしうる疾患群である. 本来, これらの疾患群は, 病理組織的な診断により確定診断されてきたものであるが, 基本的に, 特異的な病理組織所見が個々の疾患で検出されるというものではないので, 確定診断においても不明瞭な部分が残されている領域であった. 加えて, IIPは, 基本的に出現頻度の高い疾患群ではないので, 専門医といえども, 臨床経験が多くはなく, 病理診断においても専門医の間でも意見のわかれることが多々あるという診断上の問題がある. 1970年代からのbronchoalveolar lavage(BAL)の発展, CT検査の発展を軸として, びまん性肺疾患の鑑別診断が進められるようになった(表1). この時代の流れの中で, 従来のIIPの分類は, 臨床画像病理的な統合された情報に基づいて再整理されてきた. その大きなきっかけは, 予後不良とされている特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)の中から, 1980年代から1990年代前半にかけて, 予後のよい器質化肺炎や非特異的間質性肺炎とよばれる一群の間質性肺炎が新しい疾患単位として報告されてきたことである.
- 日本呼吸器内視鏡学会の論文
- 2005-01-25
著者
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