過敏性肺炎とBAL(<特集>間質性・びまん性肺疾患と気管支鏡)
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概要
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間質性肺疾患の診断, 病態解析には気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage:BAL)が不可欠である. 特に, 過敏性肺炎におけるBALの役割は多くの間質性肺疾患の中でも最も重要である. 過敏性肺炎は真菌胞子, 細菌, 鳥類の蛋白, イソシアネートなどの有機あるいは無機塵埃を反復吸入しているうちにこれに感作されて起こるアレルギー性肺炎の総称であり, 別名, 外因性アレルギー性胞隔炎とも呼ばれている1,2. 本症には病気が発生する生活環境や病気の原因となる塵埃(抗原)の種類によって50以上の疾患が含まれるが, わが国では夏型過敏性肺炎, 農夫肺, 換気装置肺炎(空調肺, 加湿器肺), 鳥飼病などが主なものである(図1)3,4. いずれの疾患も, その病変は, 抗原が沈着する呼吸細気管支を中心に, III型(免疫複合体)およびIV型(細胞免疫)アレルギー反応の機序により惹起される非乾酪性肉芽腫性間質性肺炎を特徴とする. 従って, 臨床像は疾患の種類を問わずよく類似している. 本稿では, 過敏性肺炎の診断におけるBALの有用性とBALからみた病態解析について概説する.
- 2005-01-25