気管支内病変から診断された非ホジキンリンパ腫の 1 例
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概要
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症例は76歳, 女性。呼吸困難のため入院し, 胸部X線写真で左肺野の無気肺を認め, 緊急気管支鏡を施行した。これにて, 気管分岐部左直上に左主気管支外側前方から突出し, 内腔を閉塞する腫瘍を確認した。生検の結果, 非ホジキンリンパ腫と診断, また, 右鼠径部リンパ節生検でも同様の組織像が認められ, stage IIIと診断した。化学療法(CHOP)1クールのみで左肺の無気肺は改善し, 胸部CT上, 気管分岐部リンパ節腫大も消失した。左主気管支を閉塞していた腫瘍は1クール後の気管支鏡では, 著明に縮小し, 気管分岐部前左方の小隆起性病変となっていた。その後3クールで隆起病変は消失し, 病理学的にも悪性所見は認められなかった。非ホジキンリンパ腫における気管支内病変の報告は少なく, 本例は, 気管支内病変の検索から診断された非ホジキンリンパ腫の稀な1例である。
- 日本呼吸器内視鏡学会の論文
- 1995-01-25