寛解導入後に声門下気管狭窄をきたした Wegener 肉芽腫症の 1 例

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概要

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我々は、Wegener肉芽腫症の気道病変の経過観察中、寛解導入後に気管の瘢痕性狭窄を来たした1例を経験したので報告する。症例は32才、女性で、右中肺野に空洞を伴う塊状影があり、鼻粘膜に壊死性肉芽腫性炎、腎に巣状系球体腎炎を認め、Wegener肉芽腫症と診断した。気管支鏡では、声門部の肉芽形成、狭窄が著明で、不整形の潰瘍形成を認めた。Cyclophosphamide 100mg, Prednisolone 30mgより投与し、寛解導入に成功したが、治療開始3ヵ月後より呼吸困難が出現し、4ヵ月後の気管支鏡では、声門直下の瘢痕性気管狭窄が直径約5mmとなり、気管切開により気道を確保した。その後再燃の徴候もなく経過観察中である。Wegener肉芽腫症の予後の改善に伴い、気道病変の好発部位に瘢痕性狭窄を来たすものと考えられ、気道の再建は非常に困難と思われ、本症治療上の新たな問題点と考え報告した。
1982-05-25

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