気管支学 : ミニ特集「気道出血(喀血)の対応」に寄せて(<ミニ特集>気道出血(喀血)の対応)
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概要
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今年から始まったミニ特集も4回目になる.Liquid biopsyの意義にはじまり,縦隔鏡,局所麻酔下胸腔鏡と特集されてきた.今までの3題とも検査に関する特集であったため,今回は症候を主題にしようと考えた.気管支内視鏡を行う病態の二大徴候は気道狭窄(閉塞)と出血であろう.そして気道狭窄は昨年から今年のはじめに特集されていたため,今回は気道出血をテーマとした.気道の出血(喀血)は日常しばしば遭遇し,ときに重篤になり得る症候である.そして呼吸器内視鏡を専攻する医師にとっては基本的な症候であり,かつ重視すべき病態と言える.近年,気管支ファイバースコープや胸部画像診断の発展により,各種疾患の診断や治療も進歩してきた.喀血も同様で,気管支動脈塞栓術をはじめとする治療法が普及し,発展してきている.しかし,未だに喀血の原因が不明で特発性出血とかたづけられてしまうことや,出血の治療に難渋することもしばしばある.また,気管支鏡による止血,気管支動脈塞栓術,手術などの適応ならびに方法は施設によりまちまちで,一定の見解に欠けるのが現状である.そこで今回,その喀血についての特集を,喀血のレビューと最近の診断治療技術を紹介していただき,現在の問題点とその解決策についての一考を求めたい.喀血に対する気管支鏡の役割についてを独協医科大学越谷病院の濱島吉男先生にレビューしていただき,診断技術の発展のトピックスとも言えるマルチスライスCTについて福島県立医科大学放射線科の橋本直人先生に執筆していただいた.そして治療面から,気管支動脈塞栓術についてを京都桂病院の岡崎強先生に,手術療法の適応と手技については自治医科大学の遠藤俊輔先生にお願いした.今回のミニ特集から,喀血に対する気管支鏡の位置付けを再認識し,診断および治療に関して検討されている最近の知識を得て,現在の問題点とその解決策についての一考を求めたい.そして今後の日常診療と研究に少しでも役立てていただきたいと思う.
- 2004-11-25
著者
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- 所見の取り方(気管支鏡セミナーより)