内視鏡的レーザー治療を含む集学的治療が奏効した再発肺癌の 1 例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は71歳男性で, 扁平上皮癌のため左肺上葉切除後22か月後に血痰を訴え入院した。気管支鏡所見では左主気管支を閉塞するポリープ状腫瘍を認め, 扁平上皮癌であった。CTでは気管支壁外浸潤やリンパ節腫大を認めず多発癌も考慮されたが, 初回がN_1で2年経過していないため再発肺癌と診断した。これに対する手術は, 手技的に困難な上に低肺機能もあり不可能と判断した。気道の開通が重要と考え, 全麻挿管下にNd-YAGレーザー治療を2回(計29708 J)とOK-432気管支壁内局注を行った。さらに^<60>Co45Gyを照射し, 全身的にはCDDP+VDSを2クール施行後OK-432皮内投与による免疫療法を継続している。再発より20か月後の現在X線上も内視鏡的にも治癒状態にある。肺扁平上皮癌では中枢気道に多発癌が発生しやすく, 転移再発も含め手術後は早期発見に努める必要がある。また手術不能例でもレーザーをはじめとする集学的治療を行えば, かなりの根治性が期待できると思われた。
- 1990-07-25
著者
関連論文
- 7.末梢小型肺腺癌切除症例に対する野口分類適用の試み : 第39回日本肺癌学会北陸支部会
- 頭蓋骨に骨転移様孤立性骨硬化を伴った肺腺癌の1例
- 第24回日本肺癌学会北陸支部会 : 8.頭蓋骨の孤立性巨大骨シンチ集積部位を切除した肺癌の1例
- 283 骨シンチグラム隔性肺癌手術例の検討
- 7.術後3年生存中のN3γ肺癌症例
- 9. 腹腔動脈より異常動脈をうける右肺葉内分画症の 1 例(第 15 回 日本気管支学会北陸支部会)
- 甲状腺微小癌切除例の検討
- 9.治療切除肺癌の再発様式の検討(第32回日本肺癌学会北陸支部会)
- P-141 若年肺癌患者組織標本を用いたKーras, p53遺伝子点突然変異の検討
- 内視鏡的レーザー治療を含む集学的治療が奏効した再発肺癌の 1 例
- 8.気胸で発見された限局性胸膜中皮腫の1例 : 第26回日本肺癌学会北陸支部会
- B-109 肺全摘後気管支胸膜瘻に対する経心膜的気管支切断,大網固定術の経験(膿胸・大網(1),第6回日本呼吸器外科学会総会)
- 当院外来点滴センターにおける肺癌外来化学療法の現状
- 悪性腫瘍による気管・気管支狭窄に対するDumonステント留置症例の検討(第46回肺癌学会北陸支部会 北陸支部 支部活動)
- 喀痰集検E判定から6年後に確定診断された末梢型早期肺癌の1例 : 第35回日本臨床細胞学会秋期大会 : 呼吸器VIII
- Recklinghausen病に合併した肺癌の1例
- P-369 肺小細胞癌切除例の検討
- 第24回日本肺癌学会北陸支部会 : 7.発熱・咳嗽を初発症状とし,間質性肺炎が疑われた癌性リンパ管症の1例
- Gb-22 癌性心膜炎に対する心膜開窓術の検討
- 強心配糖体の利尿の研究家兎の水,カリウム,ナトリウム,クロル排泄量への影響