「問題を作ることによる学習」の知的支援環境に関する研究(ヒューマンインタフェース(知的学習支援システム))(<特集>人工知能分野における博士論文)
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概要
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「問題を解くこと」だけが,問題やその解法に関する理解を深める唯一の方法というわけではない.「問題を作ってみること」も文章題やその解法に関する理解を深めるうえで有効であることは広く認知されているし,「問題どうしを比較し検討してみる」ことで「同じ解法が適用できる問題どうしの違い」や「異なった解法が適用される問題どうしの違い」を把握することも十分有効な方法であると考えられている.しかしながら,実際の教育現場で問題を作らせる演習や問題どうしを比較させる演習を行う場合,学生の個々の回答に対する適応的な対応が必要なことから,その有効性にもかかわらず実際の教育現場ではほとんど行われてこなかった.そこで本研究では,「問題を作ることによる学習」と「問題を比較することによる学習」に関して,計算機が学生の個々の回答に適応的に対応することのできる学習支援環境の設計と開発を行った.特に,算数の文章題を具体的な対象領域とした「問題を作ることによる学習」の支援環境については設計・開発だけでなく,実際の教育現場で小学生を被験者とした利用状況の調査,作問能力への影響に関する調査,さらに作問学習による作問能力以外の能力への影響に関する調査を行った.調査の結果,数量の関係と概念どうしの関係とを関連づける知識である問題スキーマを,特定の活動でしかうまく利用できない学習者に対して特に学習効果があることがわかった.
- 2005-01-01
著者
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