ソフトウエアエージェントによる協調業務支援環境構築に関する研究(問題解決支援環境)(<特集>人工知能分野における博士論文)
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概要
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本論文では, さまざまな専門家が存在する組織において, 専門家個人に内在する知識を全体で共有するために, 各人から組織活動を通して発せられる情報の獲得, 整理, 提供を行うための技術とそれらの統合的利用方法に関して提案した.船陸にまたがる船舶運航管理のように, これまで作業主体が分散環境で独立に活動し, 緩い連携を保っていた分野でも通信技術の拡充とともに情報交換が密になされるようになった.日常業務の中で生成される文書などの情報も共有が可能となったが, 一方でどこにどのような情報が存在し, 誰が知識の発信源となっているのかを認識する手段は十分でない.本研究では, 組織内で知識を表現する機会の一つであるコミュニケーションに関してエージェントによる支援環境を構築している.第1章の緒論に続き, 第2章では運航管理などの現場での情報共有の実際を紹介した.第3章では文書の分類法や類似性の評価方法, およびエージェント技術に関する従来研究を概観した.第4章で個々の作業者を観察してコミュニケーションから取得される知識を整理し, 場面に応じて支援情報を提供するエージェントの枠組みを構築した.第5章では, このエージェントが状況を認識し, 必要とされる情報を提供するための手法を論じた.現在の作業から取得できる情報という制限下で組織の知識源である専門家やコミュニケーションを特徴付け, 組織で共有し, 現在の状況と比較するためのモデルを提案し, これを実装して評価した.第6章では組織に存在する概念領域を表すドメインモデルを導入して特徴の表現力を向上させた.第7章で結果を考察し, 第8章で総括, 課題を述べた.
- 社団法人人工知能学会の論文
- 2001-11-01
著者
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