人間の持つ解決戦略を利用した問題解決システムの構築およびその設計に関する研究
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概要
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本論文は, 人間が持っている問題解決知識を, 効果的に利用するための問題解決手法について論じたものである.一般に, 日常生活における人間の問題解決は, 多くの場合, 特定の単純な解決プロセスをテンプレート的に繰り返し使いながら解決しているが, それによって大きな支障を来すことはない.そこで, 本研究では, 大まかな解決方針と解決目標の姿が予め分かっているクラスの問題に対して, 厳密な探索などを使わずに, 最終ゴールへの到達を保証しながら問題を解決する一方法の提案と検討を行った.本研究にて提案する手法は, まず, 対象問題の解決プロセスを, 人間の経験的知識に基づきいくつかの副問題に分割する.特に, 上流側の副問題のゴールが, 隣接する下流側の副問題に内包されるよう, 以下の要素 ・各副問題の状態空間を表現する条件 ・各副問題の任意の状態を次の副問題の中の新しい状態に変えるオペレータ ・各副問題においてより良いオペレータを選択するための単調評価関数を抽出しながら分割を行い, コンピュータに実装するもの である.このように再構成された解決過程を「フェーズフロー」と呼ぶ概念として定式化した.本研究で提案するアプローチの有効性を評価するために, パズル, ゲーム, その他, より実際的な例題のプロトタイプシステムを作成し検討を行ったところ, 多くの問題において, 準最適解を出力しながら, 確実に, そして短時間で最終ゴールへ導くことができた.
- 社団法人人工知能学会の論文
- 2000-11-01
著者
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