幾何学的思考における図形表象の道具的制約に関する一考察
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概要
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従来、幾何学において図形表象は演繹的推論の単なる補助にすぎないものとされてきたが、Barwise & Etchemendyは、従来妥当とされてきた証明でも図形表象から自明的に直接知覚される事実が利用されていることを示した。一方、最近の図形ソフトウェアでは、図形を連続的に、しかもその幾何学的関係を保ったまま変形することにより、その連続的変形を通して図形の幾何学的な「不変構造」が直接知覚されることがわかった。ただし、この直接知覚された情報を記述するには「角」の概念の再定義を必要とした。この再定義された角の概念に基づくと、従来の幾何学体系では場合分けをしなければ証明できなかった問題を、場合分けせずにより一般性のある一つの論理で証明できた。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-09-20