動的ソフトウェアパイプライニング技術の提案と性能評価
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概要
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コンピュータのハードウェアやソフトウェアを動的に最適化する「動的最適化技術」が注目されている.筆者らは,動的最適化技術の1つである動的コード変換として,本来はコンパイル時に行うソフトウェアパイプライニングを動的に,つまり対象プログラムの実行中に当該プログラムに対して動的に適用する「動的ソフトウェアパイプライニング」技術を提案する.ソフトウェアパイプライニングは条件分岐を含まないループに対して適用するための技術であり,ループ中に条件分岐を含む場合には単純に適用することができない.従来の方法は,ループ中の全てのパスを最適化の対象としてきたが,本稿で提案する動的ソフトウェアパイプライニングでは,ループ中に複数存在するパスの中から,実行時プロファイリングにより検出されたホットパスに対してソフトウェアパイプライニングを適用する.ホットパス以外のパスが実行されるときは,ソフトウェアパイプライニング化されたループから抜け出し補正コードが実行される.これにより条件分岐を含むループに対してもソフトウェアパイプライニングを適用できる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2002-08-22