新生仔ラット培養心筋細胞への高頻度電気刺激負荷によるギャップ結合蛋白発現修飾の検討 : MAPキナーゼとアンギオテンシンII受容体拮抗薬との関連について(小西賞受賞者)
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概要
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心筋細胞間のギャップ結合の発現・分布はコネキシン蛋白の半減期が短いことにより様々な病態において直ちに変化しうる.高頻度電気刺激(RES)によるギャップ結合リモデリングへの効果はいまだ明らかにされていない.培養5日目のラット心室筋細胞に120分間3HzのRESを負荷した.RESによりCx43蛋白質および遺伝子発現量は60分後には有意に増加した.免疫染色においても同様の結果であった.心筋細胞中のangiotensin II (AngII)は15分後に約2倍に上昇した.MAPK系のリン酸化型ERKは2峰性に5分と60分で, またリン酸化型JNKも15分と60分で著明に活性化された.リン酸化型p38 MAPKは5分後に1峰性に活性化された.細胞外電位記録法により心筋細胞の興奮伝播特性の変化を解析したところ, RESにより伝導速度は有意に増加した.これらの変化はlosartanにより抑制された.RESによるCx43の発現増加はまたERK, p38の特異的阻害剤にても抑制された.RESは, 早期より心筋細胞内のAng II産生を増加し, MAPK系を活性化することによりCx43発現量を増加させた.その結果, 細胞間の刺激伝播異常を引き起こし, 不整脈基質の一つとなる可能性が示された.
- 山口大学医学会の論文
- 2005-08-31
著者
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児玉 逸雄
名古屋大学環境医学研究所心・血管分野
-
矢野 雅文
山口大学器官病態内科学
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名尾 朋子
山口大学大学院医学系研究科器官病態内科学
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李 鐘国
名古屋大学環境医学研究所
-
安井 健二
名古屋大学環境医学研究所
-
松本 奉
山口大学循環病態内科学
-
松崎 益徳
山口大学大学院医学系研究科器官病態内科学
-
佐藤 孝志
山口大学器官病態内科学
-
松崎 益徳
山口大学医学系研究科器官病態内科学
-
李 鍾国
名古屋大学環境医学研究所
-
井上 宣子
山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
-
大草 知子
山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
-
名尾 朋子
山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
-
松本 奉
山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
-
久松 裕二
山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
-
佐藤 孝志
山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
-
矢野 雅文
山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
-
久松 裕二
下関厚生病院
-
安井 健二
名古屋大学環境医学研究所循環器分野
-
井上 宣子
新南陽市民病院循環器内科
-
李 鍾国
名古屋大学 環境医学研究所
-
李 鍾国
名古屋大学
-
李 鍾国
名古屋大学環境医学研究所循環器分野
-
児玉 逸雄
名古屋大学
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