煙草立枯病菌の寄主體内侵入及び移動に就て
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概要
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1. 馬鈴薯寒天或は葡萄糖加馬鈴薯煎汁培養の煙草立枯病菌(Bacterium solanacearum SMITH)は煙草の根, 莖, 葉の各部に對して傷性寄生の性質を示し, 柱頭上では非傷性寄生性を示した。又本菌の牛乳培養は幼根及び柱頭に對して非傷性寄生性を示した。 2. 本菌は煙草の葉及び莖に侵入後は, 先づ導管を侵して導管内を移動し次で莖にありては皮層髄部及び其等の細胞間隙内に侵入する。 3. 煙草の幼莖に本菌を接種すれば, 2.5℃にて4時間後には莖の上方及び下方に移動を開始し, 24時間内の測定の結果では上方に毎時間平均0.2692mm, 下方に0.2586mmの移動を示した。それより温度上昇するに隨ひ移動率増大し, 32℃に於ては最大に達し, 37℃では20℃の場合よりも小であつた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1937-08-30