イネいもち病菌可溶性たんぱく質および酵素の比較電気泳動
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概要
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日本産および外国産イネいもち病菌Pyricularia oryzae Cav. の132菌株を供試した。菌体中の可溶性たんぱく質および培養枦液中から分離したパーオキシダーゼ, 非特異的エステラターゼを, ポリアクリルアミドゲルディスク, 薄層電気泳動法によって泳動させ, アミドブラック10B, ペンジジン-H_2O_2, ファストバイオレットB塩-α-ナフチル酢酸によりそれぞれ検出し, その電気泳動像を比較した。可溶性たんぱく質およびパーオキシダーゼ泳動像にはそれぞれ二つの型が認められたが, 菌の地理的分布, 病原性等との間に明確な関係は認められなかった。一方, 非特異的エステラーゼの泳動像には三つの型が検出された。これらの各型は菌の地理的分布とかなりよく一致した。すなわちI型 : Ef 0.56に特異的な染色帯をもち, 日本, 韓国, 台湾産いもち病菌の大部分が含まれた。II型 : Ef 0.92, 0.95に特徴的な2本の染色帯をもち, 主としてインド産菌および東南アジア産苗の一部が含まれた。III型 : I, II型の特徴を欠く。主として東南アジ乙中南米産菌が含まれた。泳動像型を用いた分類の病理学的意義についても論義を加えた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1971-09-20
著者
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