β-アシルフェニルヒドラジン誘導体のイネいもち病菌呼吸系に及ぼす作用
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概要
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β-acylphenylhydrazine誘導体のうちいもち病に対してもつとも防除効果のある1-(3,4-dichlorophenyl)-2-acetylhydrazine(I)を供試し, いもち病菌呼吸酵素系に対する阻害作用について検討した。Iは10-3Mの濃度でグルタミン酸, フマール酸, コハク酸およびグルコースを基質とした場合, 呼吸増加に阻害作用を示した。一方, 胞子の呼吸に対しては阻害作用を示さなかった。電子伝達系におけるIの阻害作用点はSC因子にあって, この結果は小沢ら^ 13)の報告したフェニルヒドラジン類の阻害形式と一致している。コハク酸酸化酵素系とくにコハク酸・チトクロ-ムC還元酵素ならびにグルタミン酸脱炭酸酵素に対する阻害様式から, Iはいもち病菌の菌体内でヒドラジン化合物に分解して強い阻害を示すものと推定した。また, Iはペントース回路において, トランスケラーゼの作用をやや阻害するようであった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1967-09-30
著者
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