ホップベと病に関する研究 : IV.べと病病原菌の生活史と一次発生源について
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概要
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ベと病はPseudoperonospora humuli (Miy. et Tak. )Wilsonによっておこるホップの最も重要な病気である。本病の第一次発生は久しく卵胞子によるとされ, 今日までこれにもとづいで防除計画がたてられていた。最近になって本病病原菌がホップの根株中で菌糸の状態で生存し, これが大きな役割をしていることがColey-Smith^ 1)やその他^ 3), ^ 6), ^ 7)によって明らかにされた。しかしその防除についてまだ適確な方法が知られていない。筆者は本論文でべと病病原菌の生活史の概要を述べ, 特にホップの各種病徴("ふしづまり"芽条, "さきづまり"芽条, "えだづまり"芽条, 葉感染や球果感染)とその解剖学的観察を行ない, べと病の感染径路を明らかにした。特に第一次発生源となるのは根株中にに越年した菌糸であって, ホップの収穫後まもなく蔓の地際近くに新生ずる芽条や新葉が分生胞子によって感染し, そこから菌糸が組織中を下降して, 地上部が枯死したのちも地下部の根株に生存していたものである。したがって秋の防除がこの感染を防ぎ, 越年菌糸に原因する春先の"ふしづまり"芽条の発生数を減少させることを明らかにして, 収穫後の秋防除の重要性を指摘した。
- 日本植物病理学会の論文
- 1966-12-25
著者
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