稻熱病菌分生胞子の水稻組織内形成
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概要
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稻熱病菌の分生胞子は寄生の表皮上に抽出せる擔子梗上に形成せらるるものなるも本春細川氏は氏の卒業論文に於て穗頸の髄腔内にも其の形成を發見せられたり。著者は水稻の病害に關する研究中稻熱病菌分生胞子は穗頸の髄腔のみならず葉片及び葉鞘の分生氣管内にも形成せられたるを觀察せり。之等の分生胞子は發芽力を有するものの如く, 表皮上に形成せられたるものに比し稍ゝ短かくして, 内容夥粒に富む。爲めに分生胞子内隔膜の識別困難なるものあり。之等分生胞子は病斑の進行擴大に與かつて力あるものと考へられ, 且又稻熱病防除上菌の越年に關聯して稻藁處分の重大なるを暗示するものと言ひ得ベし。
- 日本植物病理学会の論文
- 1940-12-20