Physalospora Miyabeana 及其分生胞子 Gloeosporium に依りて生ずる杞柳の炭疽病に就きて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
大正八年及九年秋、北海道帝國大學附屬苗圃の〓柳に一種の新病害發生し被害大なりき、柳行李製造者の談に徴し其齎らせる標本を檢するに此病害は數年前より北海道諸所の〓柳栽培地に發生しつゝあるものの如し、被害の〓柳は莖上に汚點を印して品質著しく劣るのみならず折れ易く此病害は一種の Physalospora 菌及 Gloeosporium 菌に依りて生ずるものにして予は培養試驗に依りて一が他の分生胞子時代なることを確めたり。Physalospora 菌にして Gloeosporium 菌をその分生胞子時代とすと報告せられしもの數種あれども、培養試驗、接種試驗に依りてその關係を明かにせられしは准一種あるにすぎず、予は培養試驗の結果茲に新しき一種を加ふるを得たり。予は此 Physalospora 菌を新種と認め Physalospora Miyabeana なる種名を與ヘたり。(附記) 大正九年秋、同大學苗圃並に札幌附近の〓柳に類似の病害發生したりこは一種の Marssonia 菌に依るものらしく、且曩に福井武治氏が病蟲害雜誌第五卷 (大正七年) にて報告せられし〓柳の病害 (氏は病原菌を Marssonina Kriegeriana Bres. とせり)に似たれども、予は研究の歩を進めざりしか故に、此點につきては明言し能はず、唯其病徴が Physalospora 菌に依るものと金く異る (詳細は本文中にあり) ことを一言附記す。
- 日本植物病理学会の論文
- 1921-07-28
著者
関連論文
- III. ジャガイモのモザイク病 (昭和30年度シンポジウム)
- イネ萎縮病ウイルスに関する研究
- 北地麥モザイク病の研究
- 北海道の麥類萎縮病の研究 (第2報) (講演要旨)
- 荳科植物のモザイク病の傳染と〓虫との關係(第2報) (第IX囘農學大會植物病理部會講演要旨)
- 稻の萎縮病に關する二, 三の研究 (第VIII囘日本農學會大會植物病理學部會講演要旨)
- 稻萎縮病に關する研究 (第四報) (昭和八年四月總會講演要旨)
- 煙草モザイク病原體の性質 (一)
- 稻の萎縮病に關する研究 第二報 : 傳染の徑路に就て
- Physalospora Miyabeana 及其分生胞子 Gloeosporium に依りて生ずる杞柳の炭疽病に就きて