Rice Ragged Stunt罹病イネおよび媒介昆虫細胞内のレオウイルス様粒子
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概要
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イネのragged stunt罹病株は萎縮し; 葉は短かく, 先端がまき, 葉緑が切れこみ, 葉脈上にgallを生じ, 茎は分枝し, 穂は異常となり, 空籾を生ずる。Ragged stunt罹病イネの葉およびgall組織のdip法観察により, 直径55-60nmのreovirus様粒子を認め, 同様の粒子は保毒した媒介虫Nilaparvata lugensのまさい液中にも認められた。グルタルアルデヒド固定した組織からdip法によって得た粒子はspikeを持ち, 1-6本のひも状構造物が粒子から伸びていた。Gallは篩部組織の異常増生により生じ, gallの細胞内には光顕観察により封入体が認められた。超薄切片観察によればウイルス様粒子は篩部およびgall組織内の細胞にのみ認められ, 直径約65nmで, 直径約45nmのcoreと電子密度の低い外被からなり, viroplasm様封入体内および細胞質内に散在していた。罹病株上で飼育したトビイロウンカの30-90%はウイルス様粒子を持ち, これらの保毒虫の1/2-1/3が病気を伝搬した。病気を伝搬した媒介虫を超薄切片法により観察したところ, ウイルス様粒子かだ腺, 神経組織, 筋肉, 脂肪体, および前腸細胞内のviroplsma様封入体中に認められた。粒子はだ腺および脂肪体細胞に多く, 結晶配列をしていた。一列に並んだウイルス様粒子の入ったさや状構造物が脂肪体細胞で認められた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1979-04-25
著者
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Saleh Nasir
Pests And Diseases Division Cria
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日比野 啓行
農林水産省植物ウイルス研究所
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ROECHAN Martoadmojo
Pests and Diseases Division, CRIA
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Roechan Martoadmojo
Pests And Diseases Division Cria
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