日本における五葉松類の Cronartium stem rust(s) について
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概要
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今日, 五葉松類の Cronartium stem rust として C. ribicola J. C. Fischer と C. kamtschaticum Jφrstad の2種が知られている。本報告では, まず後者が Jφrstad によって命名されたいきさつと, この2種は専ら夏, 冬胞子世代の寄主によって区別されていることをのべた。1972年に北海道中標津町近くのストローブマツ造林地に発生した Cronartium stem rust は接種試験と現地調査によって, シオガマ属植物 (Pedicularis resupinata) とスグリ属植物 (Ribes grossularia) の両者に寄生することが明らかにされた。北アルプスの立山で採集されたハイマツの Cronartium stem rust の銹胞子は中標津のストローブマツのものと同じ性質を示すことも確かめられた。また, 北海道に自生するハイマツ上の Cronartium stem rust には, 冬胞子世代が不明のものがある(内生型?)。筆者らは五葉松の Cronatium stem rust の分類概念に生態学的な考えをとり入れなければならないと考えている。ハイマツと, C. ribicola の寄生となる数種の五葉松類 (Pinus sibirica, P. cembra, P. albicaulis, P. strobus, P. monticola 等) との間の密接な系統学的関係は疑うべくもない。従って C. kamtschaticum がハイマツだけをおかすとは考え難い。そこで筆者らは, 現在 C. kamtschaticum と命名されている銹病菌は C. ribicola の ecotype ではないかと想像している。ハイマツ上の内生型も同様で, 本種の生態的な奥行きの深さを示していると考えたい。このような C. ribicola の種としての概念を確認するためには, 十分計画された人工接種試験が必要である。
- 日本植物病理学会の論文
- 1976-04-25
著者
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WICKER Ed
Plant Pathologist, Intermountain Forest and Range Experiment Station, Forest Service, USDA
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横田 俊一
農林省林業試験場北海道支場
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Wicker Ed
Plant Pathologist Intermountain Forest And Range Experiment Station Forest Service Usda
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