並列CORBAにおけるデータ分散管理手法(<特集>並列処理)
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概要
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複数の並列プログラムを分散コンピューティング環境下でカップリングし,高性能並列分散コンピューティングを実現するフレームワークとして,並列CORBAシステムを開発した.並列CORBAシステムは,CORBAを拡張し,データ並列プログラムを容易に,かつ効率良くCORBAオブジェクトにカプセル化可能としたシステムである.本システムにより,たとえば,複数の並列シミュレーションコードをカップリングした複合シミュレーションが容易に実現可能となる.本稿では,並列CORBAシステムにおけるデータ分散管理手法,特に並列オブジェクト間の通信時に必要となる,パラメータ配列のデータ再分散機能の実装方法について詳細に述べる.並列クライアント-並列サーバ間で必要となるパラメータ配列の再分散機能は,スタブ(クライアント側),スケルトン(サーバ側)の両方に実装し,コンパイル時にどちらで再分散を行うか指定可能とした.これにより,並列分散コンピューティング環境下で,データを再分散するために必要となる処理を最も高速に行える並列マシン上でデータ再分散を実行させることができる.また,並列コンピュータNEC Cenju-4とPCクラスタからなる異機種並列分散システム上での評価結果によりその有効を示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2002-04-15