ディジタル革命とその未来を支える基盤技術(<特集>:電子化知的財産・社会基盤)
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概要
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DRAMの集積度にならって3年間に4倍(10の0.6乗), すなわち毎年1.6倍(10の0.2乗)をディジタル革命の速度とする評価は広く認められているが, これはディジタル技術の進歩を的確に表しているとはいえない.きわめて過小な評価である.本稿では, 演算装置の進歩を支えるナノ技術を中心とする様々な関連技術が「共進性」を持つことにより, 技術の進歩が無数に生まれ, それらが共進的に助け合って, 毎年3倍の猛烈な進歩がすでに50年間続き, その結果の性能の改善は10の24乗倍に達していることを示す.次に, ディジタル革命の社会的影響について分析する.人類に寄与する正の効果は計り知れないが, それを享受するためには, 負の影響を解消するための基盤技術の研究開発が急務である.今後, 長く続くこの激烈な進歩を支える不可欠な技術は, (1)提供者の指定する支払いなどの条件と, ユーザの利便, たとえばコピーと利用の自由, との両立を実現するシステム, (2)高位管理権者によるものを含めて, 不正な記載変更が行われていないことを物理的に保証するシステム, (3)正当な所有者が書きこんだ秘密の数値が分からない限り, 誰にもやぶれないことを物理的に保証する保護容器, であることを述べる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2000-11-15