ソフトウェア品質管理への品質展開アプローチ : 概念的枠組みと方法論
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概要
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顧客が満足するようなソフトウェア品質を追求するには,従来のアプローチと相互に補完的ではあるが,追求すべき品質を顧客との接点で明確にし,それを開発過程に一貫して反映させていくことを主眼とするアプローチ,言わば顧客指向的でありかつ目標指向的アプローチが不可欠である.本論文では,そうしたアプローチの一つとして品質展開を取り上げ,(1)業務システムとそれを支援するソフトウェアの関連が明示的である,(2)ソフトウェアの基本機能展開が要求品質展開に先行する,という特徴を持つ品質展開アプローチの概念的枠組みを提示した.また,それに根ざした方法論的基礎について述べ,実用への糸口を与えるために簡単な具体例を示した.将来的可能性としては,品質展開アプローチとプロトタイピング技術の併用に言及した.方法論上の核として,様々な適合性分析,パイイング・ポイントの把握,対重要度に基づく設計ポイントの分析を新たに提案した.これらの方法論上の核と枠組みに関する特徴から,本論文で示した品質展開方法論はソフトウェア品質管理において徹底した顧客指向と目標指向を実現していくことに十分寄与しえる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-10-15
著者
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