連続音声認識・理解システムのための構文解析法の比較・検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
音声理解システムにおいて,単語ラティスから最適単語列の解釈を見つけるアルゴリズムとしていくつかの方法が提案されている.本論文では文脈自由文法を用いた文音声認識アルゴリズムとして,left-to-right & top-down型構文解析法とisland-driven & bottom-up構文解析法とを種々の観点から比較検討した.両者の差異を明らかにするために,単語ラティスの質,音素認識率,解析時間等と文認識率との関係を論じた.実験では,連続音声認識システムにおける音響分析・音韻認識部をシミュレートすることによって,音韻認識率,ビーム幅,ワードラティスなどを変化させた場合における特質を調べた.その結果ビーム探索のビーム幅が小さい場合や文頭がnoisyな場合にはisland-driven & bottom-up法が文認識率が高いが,比較的処理時間が長くなること,left-to-right & top-down法は広いビーム幅を要しながらも,効率よく探索が行えること,そして不必要語の検出が可能であると仮定すれば,探索空間をより広くとることによって対処できると思われることなどがわかった.処理時間を考えればleft-to-right法が優れていると結論できる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-08-15