V60/V70マイクロプロセッサと高信頼化システム
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概要
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V60/V70は日本電気の開発した32ビットマイクロプロセッサであり,高級言語,オペレーティングシステム,高信頼性システムをサポートするための機能を備えている.高級言語サポートとしては手続きのコール/リターンを効率的に行うための命令が用意されている.オペレーティングシステムのサポートとしてはいろいろな機能を備えているが,本論文ではメモリ管理機構,コンテキストスイッチ機能および非同期トラップ機能について述べている.さらに,60V/V70は高信頼化システムを構築する上での基本的な要素となるFRM(Functional Redundancy Monitoring)機能を備えている.FRM機能は複数個のV60(またはV70)をpin-to-pin接続するするだけで冗長プロセッサ構成を採用するシステムの構築を可能にする.このようなシステムでは1つのプロセッサは通常モードで動作し,他のプロセッサは監視モードで動作する.監視モードのプロセッサは通常モードのプロセッサの出力と自分自身の出力を比較し,不一致が検出されるとそれを外部回路に通知する.本論文ではFRM機能を利用した高信頼化システムの実現例として3個のV60を用いたFRMボードについて述べる.V60FRMボードは2Mバイトのメモリを持っており,2枚のボードを通常系,スタンバイ系として用いることでメモリの高信頼化を実現することもできる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-01-15
著者
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矢野 陽一
日本電気(株)マイクロコンピュータ事業部
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河本 恭彦
日本電気(株)マイクロコンピュータ事業部
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鈴木 奈利子
日本電気(株)マイクロコンピュータ事業部
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藤井 卓哉
日本電気(株)マイクロコンピュータ事業部
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椎葉 忠明
日本電気(株)マイクロコンピュータ事業部
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河本 恭彦
日本電気
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