非線型常微分方程式からのフラクタルの発生
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概要
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Mandelbrot 集合,Julia 集合等の写像変換法に基づくフラクタルは,コンピュータグラフィックスの一表示手法としての興味のほか,自然科学や工学上の自己相似性を有する図形のシミュレーションモデルとしても重要である.Mandelbrot集合によるフラクタルの発生機構としては,Newton-Raphson反復法に基づく明確な解析が行われている.本報告では,Mandelbrot集合によるフラクタルの発生アルゴリズムを応用して,非線型常微分方程式の数値解法の安定性を検討することを目的として,まずMandelbrot集合の発生アルゴリズムと常微分方程式の数値解法との関係を明らかにした.すなわち,Mandelbrot集合の発生アルゴリズムは,Riccati型の常微分方程式にEulerの差分近似による数値解法を適用することによっても導出できることを示した.次に数値実験を行いMandelbrot集合と同様なフラクタルを発生できることを確かめた.工学上の代表的な非線型常微分方程式であるDuffing およびvan der Pol の微分方程式に差分近似を採用することによりMandelbrot 集合によるものと類似なフラクタルを発生させることができた.数万倍の拡大に対しても自己相似性が保存されていることが確認できた.差分の大きさを1より十分小さく取るとフラクタルは消滅して行くことが明らかとなった.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-01-15
著者
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