いくつかのドラム走査型微小濃度計の位置精度について
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概要
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ドラム走査型微小濃度計(ドラムスキャナ)は測光精度を比較的高く保ちながら,かつ高速分解が可能なために画像のAD変換装置として広く用いられている.しかし試料をドラムに貼り付けるために,位置歪が入ることは避けられないはずであり,計測用写真や地形図などの高い位置精度を要求する画像の分解には,どの程度の位置精度が保たれるかを知っておかねばならない.この論文は国内で良く使われている市販の透過型ドラムスキャナ3機種について,その位置精度を調査したものである.位置精度を位置の再現性と幾何学的歪の2つに分け,おのおのの大きさを実験的に推定した.主たる結果は次のようである.・位置再現性,幾何学的歪とも機種によって大きく異なる.・位置の再現性を乱す原因は,機械自身の安定性の不足とドラムが回転している間のフィルムの浮きであり,後者についてはフィルム全面にカバーを掛け,圧着させている機種が良い精度を示していた.・機械本来の精度が高くても,試料を貼るたびにフィルムの変形で複雑な幾何学的歪が入り,これを除去するには十分な数のリゾーマークをおくか,周囲すべてを悶定せず,歪の解放を許し,かつ均質に圧着させる機構が不可欠である.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1987-12-15