フレーム型知識表現における論理型推論メカニズムの検討
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概要
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本論文は,フレーム型知識表現と融合した論理型の推論メカニズムPRIMEについて,そのねらいと処理方式を述べる.エキスパートシステムを構築する場合,個々の対象の構造,対象間の階層関係の表現にはフレーム型知識表現が適している.一方,細かな動作を意識せず推論手続きを明確に表現するには論理型表現が向く.フレーム型知識表現と述語論理を組み合わせて知識を表現する方法もあるが,(1)フレーム構造のマッチング,フレーム構造の変更を統一的に扱う簡便な記述,(2)対象の構造に基づいた推論規則の適用範囲の記述,(3)フレーム操作の試行錯誤的な適用の制御,に関しては従来十分な配慮が成されていない.これらの問題に対して,(1)フレーム構造のマッチング,およびフレーム構造の変更を論理の枠組みのなかで統一的に扱う機能,(2)推論規則の適用範囲の限定機能,(3)試行錯誤的操作で矛盾無く,フレーム操作を行うための変更フレームの自動回復機能,を具備するメカニズムを開発することで解決した.これにより,フレーム型知識表現において,推論手続きの記述,制御を容易にできる.また,試行錯誤が多く,探索範囲が膨大となる設計型の問題に対しても,上記の機能を取り入れることが有効であることを示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-09-15