UNIXのワークステーションへの移植性について
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概要
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OA(Office Automation), CAD(Computer Aided Design), プログラム開発の各分野でワークステーションの活用が始まり, 専用ハードウェアの開発が盛んになってきた. 新しいハードウェアの製造にともなって, 今後, ワークステーション用オペレーティング・システムの開発, 移植の必要性も増すと考えられる. このような背景を考えて本論文ではミニコンピュータ用のオペレーティング・システムとして開発されたUNIXをワークステーションヘ移植する際の作業を概観し, (1)作業に要した時間, (2)プログラムの変更行数, の2点からその作業量を測定する. 測定の結果, UNIXのカーネルのメモリ管理, プロセス管理に変更点が多いこと, 一方ファイルシステム, パイプ, ttyドライバには変更点がほとんとないが明らかになった. また, Cコンパイラの移植にカーネルの移植と同程度の時間が必要であることも明らかになった. さらに, 本論文ではUNIX移植時の問題点についても言及し, ワークステーション用オペレーティング・システムとしてUNIXに欠けている機能をも示した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1985-11-15