プリフェッチを主体とするページングアルゴリズム(PDP法)の作成と評価
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概要
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仮想記憶方式計算機の効率向上を目的とした新しいページング方式PDP法を提案する. 本方式はプログラム実行状況のデータを活用したプリフェッチを実現していることを特徴とし, プリコンパイラ部とページ管理部から成る. プリコンパイラ部は, ページ管理部に情報を伝達する処理を行う命令(通信命令)を, ソースプログラム中に挿入する役目を持つ. ページ管理部はプログラムからの情報を得てプリフェッチを行う部分と, 情報の得られない場合にWS法によるページ管理を行う部分から構成される. FACOM M160のOSIV/F4のもとにPDP法の実験システムを実現した. 実験システムで収集したデータと人工的に作成したデータを組み合わせてシミュレーションにより性能を評価し, WS法との比較検討を行った結果, PDP法はWS法と比べ全般的に効率が優るが繰り返し参照型フェーズで参照ページが順次変化を行う場合には効率が悪化することが明らかとなった. 本論文は実験システムの構成とシミュレーションによる評価結果について述べ, 本方式の有効性を示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1982-05-15