マルチワイヤ配線板の自動設計システム
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概要
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マルチワイヤ配線板の配線収容能力の向上をねらいとし, 自動配線設計ソフトウェアシステムを作製した. 本システムは, 論理ゲートレベルの結線情報を入力とし, マルチワイヤ布線機の制御情報出力までを一貫して電子計算機処理するものである. 本システムの技術的な特長は, 格子点処理および経路決定アルゴリズム, および配線の電気的条件の自動チェック法にある. 格子点処理では, 1絡子点を2ビットで表示できる利点を活用して, 格子点座標算出に必要な乗除算を高速の桁移動で済ませることにより, 処理時間を1/2に短縮した. また, 配線の曲り点を空格子として経路決定処理では二重配線を許容し, 後処理により45度曲りの組合せとして, 1格子点に2本の配線の曲り点を収容可能とし, 配線収容量を増加させた. 経路決定アルゴリズムとしては, 処理時間の短い発見的手法を主として適用し, 複雑な経路に対して迷路法を用いた. 発見的手法では,最大7つの経路について並列に探索処理を行うこと, および指定したわく内のみに配線経路を限定すること(フレーミング)により, 配線の迂回, 処理時間の低減をはかった. 以上の工夫により, 2,000本程度の配線について, 100%の配線収容が10分以内で可能となった.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1981-11-15