べた書き文の仮名漢字変換システムとその同音語処理
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概要
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べた書き文の仮名漢字変換では, 切れ目のない文字列から, いかに正しい語を推定するかが問題となるが, 著者らはこの問題を次の二つ, すなわち, 入力文の分かち書きと同音異義語の推定の問題に分けて考え, 前者の問題に対して, 二文節最長一致法, 付属語分かち書きという二つの方法を用いることにより, べた書き文の文節単位への分かち書きが効果的に行えることをすでに示した. 本論では, 同音語を識別するための情報として, 用言に対しては, 格文法の考えに基づいた格の情報とそれぞれの格の立ち得る語の意味的範ちょうの情報, 一方, 体言に対して, 派生語, 複合語および関連語の情報を検討整理して, 機械辞書としての形式化を行う. さらに構文解析によって求められた係り受け関係に基づいて同音語を推定する具体的手法を示し, べた書き文の自動仮名漢字変換システムの効率の向上を図る. 実験例によれば, 96.2%の文節が正しく変換され, 単語の頻度による同音語選択の方法に比して, 約7%の漢字変換率(文節単位)の向上が図られた.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1981-01-15