Runge-Kutta系のある極限公式の打切り誤差について
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概要
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常微分方程式の数値解法の1つである Runge-Kutta系の5段陽的公式では局所打切り誤差を5次のオーダまで零とすることは出来ない. 5次のオーダの誤差項を小さくしようとすると公式に含まれるいくつかのパラメタを非常に大きくしなければならないという田中正次^<2)>の結果に着目し, その極限の場合(これを極限の公式と呼ぶ)を考察すれば, 5次のオーダの誤差項を消滅させることが出来るはずである. この考察に基づき, 5段5次の極限公式には2つの型が存在することを示し, これをA型公式群, B型公式群(これはさらにB-1型とB-2型に細分される)と呼ぶ. A型公式群には自由なパラメタが2個, B型公式群には1個含まれる. さらにA型公式群とB型公式群において, 残されている自由パラメタを調節して, 6次の打切り誤差の諸項をできるだけ小さくする. 独立に変動するいくつかの6次の誤差項が存在するので "打切り誤差最小"という評価規準は一意には確定しないが, 実用的見地から有意義とみなされるいくつかの規準に照して各公式群ごとに良いと認められる数個の公式が最終的に決定される. それらの公式のうちA型のものの方がB型のものより優れ, またA型公式群の中では最大誤差項最小化により定められるA-3型公式がどの尺度から見ても優れているといえる. 数値実験の結果も理論的な結果とよく一致している.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1980-07-15
著者
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