コンピュータによる衿ぐり曲線の算出
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概要
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服飾における衿ぐり曲線のデザインは現在写真計測や手作業によっている. そこで本稿では物体曲面の構造線解析の研究の一環として衿ぐり曲線の問題を取り上げ, コンピュータによるその算出の自動化を試みる. まず, 曲面上に自由に置かれた粘性ゼロ密度一定の糸が形成する空間曲線を曲面懸垂線として定式化し, これが衿ぐり曲線の形状を表わすことを示す. 次に, 物体曲面の特徴領域・構造線の特徴量の算出に微分幾何学の手法を適用することとし, 筆者の所属する研究室で開発した光学系形状計測システムによって得られる形状データが容易に微分幾何学上のデータ表現に変換できることを示す. 続いてこの準備のもとに, 曲面懸垂線を力学的平衡の考え方に基づいて算出する手法を述べる. さらに曲面懸垂線算出の応用として衿ぐり曲線を算出し, こうして得られた曲線が, 服飾界で行っている, 頸まわりにチェーンを置くことによってできる実際の衿ぐり曲線ときわめて良く一致することを示す. 最後に衿ぐり曲線から衿型を求める衿型展開について述べる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1979-05-15