仮想移動格子法によるモアレ縞形成とその画質改善効果
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概要
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近年,医療分野をはじめとして3次元物体の形状計測の必要性が増大しており, その計測法の1つにモアレ法がある. モアレ法は, モアレ縞形成の手法により, 光学的モアレ法と電子的モアレ法に大別される. 電子的モアレ法は, 光学的モアレ法の写真カメラの代りにテレビカメラ, 撮像格子を電子的手段で実現するもので, 凹凸判定の自動化が可能になっている. 電子的モアレ法は, 光学的モアレ法と比較して, 操作性,融通性に優れているが, 物体面が基準面に対して大きく傾斜している所では高次モアレなどの不要縞を消去できず, 画質を著しく劣化させる欠点を持っていた. 本論文では, 物体の変形格子像1枚から投影格子を移動させたときにできる投影側移動格子を計算機上で補間法により作成し, それとソフトウェアにより作成した撮像格子との論理演算によりモアレ縞形成する仮想移動格子法を提案し, 不要縞を消去できることを示した. 仮想移動格子法は, 光学的な移動格子法と異なり, 等高モアレ縞形成における撮像格子の制御, 物体の変形部を表わす等変形モアレ縞形成にも適用可能であることを示した. 仮想移動格子法の原理及びその画質改善効果を実験例により示し, その基本的動作を空間周波数領域で解析している.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1979-03-15