頂点辞書を利用した距離画像解析
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概要
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3次元シーンに関する一般的知識を頂点辞書の形にまとめ, これを利用しながらシーンまでの距離のデータを効率よく解析する方法を提案する. ここで扱うシーンは, 平面または2次曲面で囲まれた物体がいくつか積重なってできたものである. また, 距離データは, スリット光をこのシーンに投影し, その像を別の方向からテレビカメラで捕え, それに三角測量を適用することによって得られる. 本解析法では, まずはっきりわかる稜線と頂点を抽出し, 各時点で見つかっている頂点を辞書と比較して, どの方向にどういう物理的性質の稜線がなければならないか(あるいはありそうか)を予測し, その予測に従ってデータ解析を進めていく. また, 辞書には, 2個以上の物体が接触してできる頂点に関する知識も含まれており, それを利用してシーンを単純物体に分割する. そして, 最終的には, シーン中の各物体を, 頂点・稜線・面の関係として記述する. この結果は, 物体の同定や, 物をつかむための機械の手の動きの計算等に利用できる. 頂点の形に関する知識は, 今までは完全な線画を解釈するという目的に使われていた. しかし, 雑音を含む実際のデータの処理で最もむずかしいのは, 完全な線画を作ることである. 本論文は, 距離情報の特質を生かして, 今までとは異なる目的(すなわち欠けた線の予測)に頂点知識を利用し, 実際のシーンから得られる生データを解析し完全な線画を作る方法を開発した, という点に最大の意義がある.
- 1979-01-15
著者
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