ノイマン問題を拘束条件とする領域最適化問題におけるポテンシャル法の利点と欠点
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概要
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本論文では,境界値問題(楕円形偏微分方程式と境界条件の組,ここではNeumann問題)の解の汎関数を評価関数とする最適化問題(領域最適化問題,非線形数理計画問題の一)において有用な役割を演じるポテンシャル表現について考察しその利点と欠点を明らかにした.最適化問題を扱う最初は必要条件を求めることであるが,そのためには常道にしたがって評価関数の変分を求めなければならない.ところが,この変分の計算に不可欠なのが境界値問題の解の(第1)変分である.従来この変分を特徴づける墳界値問題の導出にはテイラー展開の方法が用いられてきた.この方法によると,解の変分について高階の導関数についての仮定を置かなければならない.境界値問題がDirichlet問題である場合にはポテンシャル表現を使ってこの仮定を避けることができる.境界値問題がNeumann問題の場合にもポテンシャル表現による方法がどこまで使えるか興味のあることである.そこで,ポテンシャル表現からNeumannデータを得るための補題を使って解の(第1)変分の従う境界値問題の導き方および1次の必要条件の導き方の概略を説明した.ポテンシャル法によれば導関数についての仮定が緩やかなものですむ.ついで,境界値問題が定義されている空間の次元が3以上の場合にこの補題を証明した.しかし趣がら,空間次元が2である,つまり平面の場合には対応する命題が成り立たないことを示す反例を与えた.これらのことよりポテルシャル法の有用な点と限界を明らかにすることができた.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-04-15
著者
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